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針葉樹と広葉樹 樹木は大きく2種類に大別されます。一つは年中緑の葉をつけている針葉樹。もう一つは秋になると葉が落ちて、春に葉を出す広葉樹です。常緑樹と落葉樹という呼び方もあります。何にでも例外があるもので、針葉樹の中では唐松が落葉樹で、熱帯地方の広葉樹は常緑です。 地球上には圧倒的に広葉樹の方が多く、針葉樹が約540種類に対して、広葉樹は約20万種類もあるといわれています。 材種的には、針葉樹は軽くて柔らかく、加工も容易で狂いが少ないのに対し、広葉樹は重くて硬く、加工しにくく、よく乾燥しないと狂いが大きいという違いがあります。住宅部材としては、加工が容易な針葉樹が種に使われていて、広葉樹は床材や床の間まわり、家具材に多く使われています。 |
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年輪 年輪は、木材を輪切りにすると出てくる同心円の輪のことですが、生長輪ともいわれています。一年に一個ずつしかできないことが名前の由来です。木は樹皮の内側の形成層と呼ばれる部分で成長していますが、年輪部分は、春から夏にかけて成長する早材部(春材ともいう)と、夏から秋にかけてできる晩材部(秋材ともいう)からできていて、冬は成長をやめます。針葉樹の年輪ははっきりしているのに対し、広葉樹ははっきりしないものもあります。針葉樹の場合、年輪幅が狭い方が硬くて重量があり、強度もあるといわれています。 |
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心材と辺材 木を輪切りにしてみると中心部から一定の幅で色の濃い部分があります。これを心材と呼び、その周辺部分を辺材と呼びます。心材は成長活動の止まった死滅した細胞の固まりで、硬くて強度があり、木の骨格を成すものです。一方辺材は、根から水分や栄養を吸収し、葉からの光合成で得た栄養を樹木全体に運ぶ、いわば血管の役割をしています。 心材は、強度あり、虫がつきづらく、腐りにくいため、種に構造材に使われ、栄養分が多く虫がつきやすいとされる辺材は、主として板材に使用されます。 |
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国産材と外材 緑の列島と呼ばれ、国土の約7割が森林である日本において、木材の自給率は年間消費量のわずか20%に過ぎず、残り80%が外材となっています。 外材が日本に初めて入ってきたのは、1854年にアメリカのペリー提督が米松を幕府に送ったのが最初とされています。関東大震災の際に本格的に輸入が開始され、戦時中は休止、戦後の復興期には戦中時に乱伐された国産材が成長するまでの代替材として輸入が再開され、その後年々拡大してきました。戦後の拡大造林によって大量の植林された木が伐採時期を迎えるようになっても輸入量は一向に減らず、日本の森林荒廃にも影響しています。 |
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板目と柾目 丸太を製材する場合、その挽き方によって板目の出方が大きく異なります。製材方法には板目挽きと柾目挽きとがあり、板目挽きは丸太の外側から年輪の接線方向に挽いたもので、年輪が放射状の曲線模様を描きます。この模様を板目と呼びます。 柾目挽きは、丸太の半径に沿って挽いたもので、挽いた板の表面の年輪は長さ方向に平行に直線になります。これを柾目とよび、年輪幅が密なものほどよい材とされています。 |
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米松 日本で輸入している北米材の中では、量が最も多くなっています。ダグラスファーとも呼ばれ、ブリティシュコロンビア州からカリフォルニア州太平洋地域とニューメキシコまでの山岳地帯に分布しています。日本でいうトガサクラに相当します。国産材で確保しにくい長材、大径材が得られる為、丸太で多く輸入されます。特長として辺材は淡黄白色から淡黄色、心材は黄褐色から赤褐色まで幅広くなっています。生産地が広い為に材種に於いてかなり差がでます。材面に「ヤニ」がでるなど国産材の松と似ている所が名称の由来です。 用途としては、マツクイ虫の影響で確保が困難になった松などの代替としての用途が最も多く、又合板や集成材にも使われています。 |